朝食はパン派という方にとって、食パンは常にストックしている食材です。そんな食パンの袋に必ずついているのが、コの字型のプラスチックでできた留め具のようなもの。これは実は埼玉県川口市にあるクイック・ロック・ジャパンと言う会社の「バッグクロージャー」という商品なのです。食パン以外にもいろいろと使える優れものなんですよ。
「バッグクロージャー」の由来
バッグクロージャーとは、さまざまな袋を止めているものを指します。食パンの袋などを留めるのに使われるプラスチック製品もバッグクロージャーと呼ばれています。よく見かけるものの大きさは1辺25cm前後で、中心部がコの字型にくり抜かれています。くり抜かれた中心部にパンの袋を通した状態で、お店などで販売されています。
バッグクロージャーの色は白・水色が多いですが、赤・オレンジ・黄色・緑・茶色も使われています。食パン以外にも使われていて、玉ねぎ・みかんなどのネットを留めるためのバッグクロージャーもあります。また使用する袋やネットの形状に合わせて、形を替えたバッグクロージャーもあるんですよ。
リンゴの袋を留めたいという要望から誕生
食パンに使われているバッグクロージャーは1952年に、アメリカのフロイド・パクストン(Floyd Paxton)という人が発明しました。包装機械の商売をしていたパクストンは、顧客から「リンゴの袋を閉じる方法はないか」と相談を受けます。そこで考案されたのが、バッグクロージャーでした。
簡単に袋を閉じられるバッグクロージャーは、リンゴ農家の間で大評判となりました。さらにパンの袋を留めるのにも便利だと評判になり、パン製造業者の間でも評判となります。評判を受けてパクストンはバッグクロージャーの特許を取得し、クイック・ロック社(Kwik Lok)を立ち上げたんですよ。
1960年代に入るとクイック・ロック社では自動袋詰装置と、対応するバッグクロージャーの自動結束機を開発します。その結果、世界中で袋の留め具として、バッグクロージャーが活躍するようになったんですね。
日本でバッグクロージャーを製造してるのは、クイック・ロックの日本法人である「クイック・ロック・ジャパン株式会社」のみです。年間30億個も作られているんですが、クイック・ロック社が特許を持っているので他の会社は作れません。毎日の様に目にしている商品なのに、一社でしか製造していないことには驚かされますね。
バッグクロージャーの使い方には何がある?
開封済みの袋を閉じる
食パンの袋を開けた時に、バッグクロージャーを捨ててはもったいないですよ。バッグクロージャーは袋の留め具なので、実は食パン以外の袋にも使えるんですよ。使い方ですが、ビニール袋の空気を抜きつつ軽くねじります。ねじったところにバッグクロージャーを押し当てれば、簡単に袋を留めることができます。
開ける時はバッグクロージャーの下に人差し指・中指を置き、上から親指で押せばすっと取れます。ビニール袋を止めたい時には、バッグクロージャーを活用すると便利です。
コンセントの目印に
家電の数が増えてくると、コンセントが増えてきますよね。特にパソコン回りではパソコン・モニタ・プリンターなど、様々なコンセントがささったままになっています。違うコンセントを抜かないためにも、目印になるものが欲しくありませんか?
そんな時はバッグクロージャーにコンセントの名前を書いて通せば、一目でどのコンセントかわかります。しばらく使わないコンセントにも付けておけば、どの電化製品に使うのかも分かりやすいですね。
輪ゴムを束ねる
お店でもらった輪ゴムは散らかりやすく、使いたい時に見つからないこともよくあります。一か所にまとめて保管したいなら、バッグクロージャーに通してから壁に吊るすのはいかがですか?リビングの小物入れ・台所・子供部屋など、いろいろな場所に少しずつ置けるのも便利ですね。お店で購入したあとに吊るすクセもつけておけば、ムダも省けますよ!
まとめ
食パンについてくる留具には、バッグクロージャーという立派な名前があります。元々リンゴの袋を留めるために考案されたものが、パンの袋を留めるのに便利なので広まりました。アメリカ生まれのバッグクロージャーは特許を取得してるため、日本では一社でしか製造していないのです。
袋をねじってからバッグクロージャーで留める以外も、コンセントの区別などにも使えて便利です。「パンの袋についてくるやつ」ではなく、バッグクロージャーという名前をしっかり覚えてください。