急な知らせがあり何事と思えば、お隣のお婆ちゃんの訃報でした。浄土真宗のお通夜、告別式のお知らせです。行かないのは不義理に当たるので…お通夜だけでもと思いお見送りに行くハメになってます。お家の宗派によってしきたりが違うので調べてみました。浄土真宗らしいです、これも供養の一環だと思います。
宗派は浄土真宗
浄土真宗のお葬式は、他の仏教宗派とは異なり、故人が阿弥陀如来の力によって浄土に往生(成仏)することを強調します。これは、阿弥陀仏への信心により、すでに浄土に迎え入れられるという教えに基づいています。
浄土真宗のお葬式の簡単な流れ
1. 枕経(まくらぎょう):臨終の際、家族や僧侶が枕元でお経を唱えます。阿弥陀如来に導かれることを祈念します。
2. 通夜:通夜では、僧侶が来て念仏やお経(通常は「正信偈(しょうしんげ)」や「阿弥陀経」)を唱え、故人が阿弥陀仏のもとへ往生したことを祈ります。
3. 葬儀(葬場勤行):お葬式本番で、僧侶が念仏を唱え、故人の往生を確認します。死は恐れるべきものではなく、阿弥陀仏の浄土に迎えられるという希望に満ちた儀式です。
4. お布施と供養:浄土真宗では、供養は故人のためではなく、残された者たちが阿弥陀仏の教えを思い出し、自らの信仰を深めるためのものとされています。
5. 法名:戒名の代わりに「法名」を授けられますが、これは信心の現れとされています。
浄土真宗では、死は阿弥陀如来に救われ、浄土に往生する一歩と考えられているため、他の仏教の葬儀に比べて比較的穏やかな雰囲気が特徴です。
法名と戒名の違い
法名と戒名は、仏教での葬儀や出家において授けられる名前ですが、宗派によって意味や役割が異なります。主な違いは以下の通りです:
戒名
主に使用される宗派:浄土真宗以外の多くの仏教宗派(特に禅宗、曹洞宗、真言宗など)で用いられます。
意味:戒名は、亡くなった後に授けられる名前で、仏の教えを守り、戒律を守ることを意味します。出家者が得る名前と同様に、亡くなった人が仏の教えに従う者として認められることを表します。
授けられる理由:戒律を守ることで、亡くなった人が悟りの道を進むことを意味し、供養の際にその戒名が使われます。
法名
主に使用される宗派:浄土真宗で使われます。
意味:法名は、阿弥陀仏の救いを受け入れたことを示す名前で、亡くなった人が阿弥陀如来の力によって浄土に往生することを象徴します。戒律を守ることが重要視されないため、戒名ではなく「法名」と呼ばれます。
授けられる理由:浄土真宗では、信仰によって阿弥陀仏の救いを受け、すでに浄土に迎え入れられているという考え方が根本にあるため、法名は故人が阿弥陀如来に導かれたことを示します。
主な違い
宗派の違い:戒名は戒律を重んじる宗派で用いられ、法名は阿弥陀仏の信仰に重きを置く浄土真宗で用いられます。
目的の違い:戒名は戒律を守り、仏道を進むための名前で、法名は阿弥陀仏の力によって救われることを表す名前です。
浄土真宗では、戒律に基づく修行ではなく、阿弥陀如来の本願を信じることが救いの根本とされているため、戒名ではなく法名が授けられるという違いがあります。
阿弥陀如来(あみだにょらい)とは
阿弥陀如来(あみだにょらい)は、仏教における重要な仏の一つで、特に浄土宗や浄土真宗で信仰されています。彼は、西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)という理想郷を統治し、すべての人々をその浄土へ導いて救済する仏として崇拝されています。
阿弥陀如来に関する特徴や教え
1. 「無量光」・「無量寿」の意味
– 阿弥陀という名前は、サンスクリット語の「アミターバ(無量光)」と「アミターユス(無量寿)」から来ており、「無限の光」と「無限の命」という意味を持ちます。これにより、阿弥陀如来は無限の慈悲と知恵を持つ仏であり、永遠に衆生を照らし続け、救い続ける存在とされています。
2. 西方極楽浄土
-阿弥陀如来は、自らの修行により、すべての苦しみを離れた理想郷「西方極楽浄土」を作り上げました。この浄土では、悟りを開くための苦しみや煩悩から解放され、安らぎに満ちた世界が広がっているとされます。
阿弥陀如来を信じる人々は、彼の浄土へ往生することができ、そこで悟りに至ると信じられています。
3. 本願
– 阿弥陀如来は、すべての人々を救うために「四十八願」と呼ばれる誓いを立てました。その中でも特に重要なのが「第十八願」(本願)で、これは阿弥陀如来の名を心から信じて念仏(「南無阿弥陀仏」と唱えること)する者は誰でも必ず極楽浄土に往生できるという約束です。
4. 念仏と信心
浄土教系の仏教では、阿弥陀如来への信仰と念仏(「南無阿弥陀仏」と唱えること)が中心となります。これは、阿弥陀如来の救いの力を信じ、その名前を唱えることで救済を得るというシンプルな教えです。
修行や戒律による努力よりも、阿弥陀如来の慈悲を信じることが強調されます。
5. 仏像の特徴
阿弥陀如来像は、多くの場合、穏やかで慈悲深い表情をしており、手には「来迎印(らいごういん)」という独特の印を結んでいます。この印は、亡くなった人を極楽浄土へ迎え入れる姿を表しています。
阿弥陀如来は、特に苦しみの多い現世に生きる人々にとって、希望と救いの象徴であり、彼を信じることで現世での苦しみから解放され、浄土へ往生して最終的に悟りを開くことができると信じられています。
まとめ
浄土真宗とは何と素晴らしい宗派なんでしょうか、これでお婆ちゃんもきっと成仏して、あの世で幸せになる事でしょう。
「私なんかまだ生きていて、娘に怒られる事ばっかり」と一人で杖をついて散歩していた日々を懐かしく思い出します。阿弥陀如来様、よろしくお願いしますよ。