家庭菜園で収穫した野菜などは井戸水で洗っています。飲料用として使用していないので、取り立てて井戸水の水質をチェックをしていません。しかし、まさかの自然災害に遭遇した時を考えれば、井戸水の適切な分析の必要性を感じています。ここでは、家庭で行える基本的なチェック方法から専門的な検査まで、いくつかの方法を紹介します。
水質チェック
1. 基本的な視覚・嗅覚チェック
色の確認: 井戸水を透明な容器に入れ、色を確認します。通常、水は無色透明であるべきですが、茶色や赤、黒などの色が見られる場合は、鉄やマンガン、有機物の混入が考えられます。
においの確認: 水に異臭がある場合、化学物質の混入や微生物の増殖が原因かもしれません。硫黄臭(腐卵臭)は硫化水素の存在を示すことがあります。
2. 簡易テストキット
市販されている簡易テストキットを使用して、井戸水の以下の項目を自宅で簡単にチェックできます。
pH値: 水の酸性度・アルカリ度を測定します。通常、pH 6.5から8.5の範囲が飲用水として適しています。
硬度: 水の硬度を測定し、カルシウムやマグネシウムの含有量を確認します。
塩素: 残留塩素の量を測定します。
亜鉛、鉛などの重金属: 重金属の混入は健康に影響を与えるため、特に注意が必要です。
硝酸塩: 農薬の使用などで土壌から流出した硝酸塩の量を測定します。
3. 専門的な水質検査
より詳細な分析が必要な場合や、簡易テストで問題が見つかった場合は、専門の検査機関に依頼することをお勧めします。以下のような検査が行われます。
全体的な水質分析: 総合的な水質検査で、多数の化学物質や微生物の有無をチェックします。
細菌検査: 大腸菌群などの病原菌の存在を調べます。
有機化合物の分析: 農薬や工業化学物質などの有機化合物の検出を行います。
4. 定期的な監視と記録
定期的なチェック: 季節の変わり目や大雨後など、定期的に水質をチェックすることで、問題の早期発見につながります。
記録の保持: チェックの結果を記録しておくことで、時間の経過に伴う水質の変化を把握できます。
これらの方法を適切に組み合わせることで、井戸水の安全を保ち、健康に配慮した水の利用が可能になります。
保健所で井戸水の水質検査
保健所では飲用水としての安全性を確保するために、井戸水に含まれる細菌の有無や化学物質の濃度などを検査するサービスを提供している場合が多いです。
保健所での検査内容
細菌検査: 特に大腸菌群の有無を調べることが一般的です。これは水が衛生的に安全かどうかを示す重要な指標です。
化学物質検査: 鉛やカドミウムなどの有害な重金属や、硝酸塩などの化学物質の濃度を測定します。
pH測定: 水の酸性度・アルカリ度を測定します。
<検査を依頼する方法>
1. 最寄りの保健所に連絡: まずは地域の保健所に連絡を取り、井戸水の検査について尋ねます。
2. 検査の手続き: 保健所によっては事前に予約が必要な場合や、水を採取して持ち込む必要がある場合があります。
3. 採水方法の確認: 水質検査の精度を保つために、正しい採水方法を保健所から指示されることがあります。指示に従って適切に水を採取しましょう。
4. 検査結果の受け取り: 検査後、結果を受け取る方法や期間についても事前に確認しておくと良いでしょう。検査結果は通常、数日から数週間で受け取ることができますが、保健所や検査の内容によって異なる場合があります。
検査結果の解釈
保健所から受け取った検査結果には、水質基準を満たしているかどうかの評価が含まれています。もし基準を満たしていない項目がある場合、その原因と対策について保健所からアドバイスを受けることができます。必要に応じて、浄水装置の設置や井戸の改修などが推奨されることもあります。
費用について
多くの保健所では井戸水の検査を無料または低コストで提供していますが、地域によっては有料の場合もあります。具体的な費用や検査項目については、事前に保健所に確認することが大切です。
注意点
定期的な検査: 一度の検査で安全が確認されたとしても、環境変化や地下水の状態によって水質は変わることがあります。定期的な検査を行うことで、安全な水を継続して利用することができます。
異常が見られた場合の対応: 検査結果で異常が見られた場合は、すぐに使用を停止し、専門家のアドバイスに従うことが重要です。
井戸水の安全確保は、日常生活において非常に重要です。地域の保健所を利用して適切な水質管理を行い、健康リスクを避けるための対策を講じましょう。
まとめ
日常は水道水で過ごしていますが、いざ何かあると井戸水が必要になるかもしれません。そんな事を想定して、時間があれば保健所などで、定期的に水質調査をしておくのが危機管理の一つと言えるでしょう。夏は冷たく、冬は暖かい井戸水は重宝しますよ。